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業者選びのコツ

目次

よい業者と悪い業者

この10年余りでFXを取り扱う業者は大きく様変わりしましたが、果たして「よい業者」というのはどういう業者なのでしょう?
また悪い業者とはどういう業者なのでしょうか?

FX取引が、いわゆる金融商品取引法のもとで規制されはじめてまだ数年しかたっていませんが、それを境に業者の様子も大きく変化しています。
規制前は業者の役所への届出義務がなく、今のように金融庁に届け出て金融商品取引業者として登録義務がありませんでした。そのため、いわゆる悪い業者の中には出金拒否、一任売買、のみ行為などし放題、挙句の果てには投資家からの預託金を持ち逃げしてドロン、などという論外の業者まで存在していました。

それが規制以降、金融当局の監視・管理体制の下、それまでの本当の悪い業者というのは駆逐されており、それまでのいい業者=まっとうな、正当な業者、悪い業者=善悪でいう悪の業者という図式ではなくなっています。

それでは規制以降のよい業者、悪い業者というのはどういうものなのか?
端的に言うとサービスの良し悪しです。ここでいうサービスとは、レポートなどの情報、取引画面の充実、チャート機能などに加えて、手数料の安さであったといえます。
そして現在では、その図式にも変化がおき始めています。

業者の傾向

当局の規制以降、FX業者はサービス合戦による生き残り時代に入りました。
サービス合戦では、本来は情報サービスの充実、取引システムの安定化、顧客資産の保全の充実なども促進されましたが、それよりも目を引くのは手数料のディスカウント、及びスプレッドの縮小です。

現在では取引手数料はゼロという業者も決して珍しくありません。スプレッドも通貨ペアによっては限りなくゼロに近づき、キャンペーンなどでスプレッドもゼロで提供するという業者まで現れてきています。
またFX取引がメジャーになる前は、証拠金率いわゆるレバレッジも総約定代金の5~10%というのが、一般的でしたが現在では400倍つまり0.25%という業者も現れてきています。

0.25%というのはドル円でいうと、10万ドル(1ドル=100円の場合)の取引に必要なのは、総約定代金100円×10万ドル=1000万円に対して25,000円で取引ができるということです。
確かに取引金額が低いことで投資家の新規参入が容易ですが、リスクが高すぎ決して初心者向けとはいえません。10万ドルの取引ではわずか0.25円の値動きで取引証拠金の全額である25,000円がなくなってしまうのです。
確かにある意味では投資家の利便性を高めてはいますが、果たしてその方向性は正しいものなのでしょうか?
疑問が残ります。

業者の実情

FX取引は、その優位性もさることながら、顧客利便性の高まりから、ますますFX取引を始める投資家が増加してきています。
一方ではその取り扱い業者の状況はどうなのでしょうか?

一般的に考えれば、顧客が増えれば業者も潤うのが常識ですが、どうやら内情はかなり違います。
下の記事を見てください。

突然の事業休止、業界に淘汰の波到来か過剰サービスで自滅するFX業者

9月11日12時20分配信 MONEYzine

行政処分受けたり破綻したFX業者(07年以降)

9月9日、FX業者のトレイダーズFXが突然事業を休止を発表した。 同社は、取引手数料を無料にし、スプレッドも米ドル/円を0銭にするなど、業界最高水準でのサービスを展開し、一部ユーザーの注目を集めていた業者だ。

同社は、「財務の健全性を示す自己資本規制比率が低下していることを考慮し、誠に勝手ながら、事業を休止させていただくことを決定致しました」と発表しており、過剰なサービスを提供していく上で、運用している取引システムの機能だけでは無理が生じ、市場リスクを適切に管理することができなくなってしまったとみられる。

投資家の資産は分別保管を行っていたため、大きな損失は出ていないが、同社を通して取引していたユーザーは、ブログなどで「今夜突然、業務休止のお知らせメールが届きました・・・」「事業休止だぁ? 」などとコメントしており、驚きを隠せないようだ。

今回の件は、固定スプレッドが市場リスクを膨らまし、その結果、事業継続性に問題が出ることが表面化したとも言え、以前から囁かれていた業界淘汰が本格的に始まったとの見方もある。事業の安全性が確保できず業務停止や行政処分を受ける業者は過去2年だけもすでに20社を超えており、今後もその数は増えそうだ。

2005年頃からブームとなり、現在も投資家が増え続けているFX(外国為替証拠金取引)業界だが、FX業者間の競争は激しさを増し、顧客獲得のために各社は、1~2年前から手数料を無料に引き下げ始め、08年に入ってからは、スプレッドを縮小し始めている。

しかし顧客取引の反対売買を行うカバー取引を行う場合、為替変動リスクを取引会社は背負うことになり、07年8月に起こったサブプライムローン問題に起因する円高時には、急激な相場変動に耐えきれなくなり、市場でカバーがとれず、破綻する業者も出てしまった。そのためカバー取引からの撤退する業者も増え始めている。

今回、事業休止を発表したトレイダーズFXは「お客様の資産に影響を与えないよう、いったん事業を休止させて頂き、その後の準備期間において、システム機能強化やリスク管理態勢の脆弱性を早期に解消できるよう努めてまいります」とし、今後3か月以内での事業再開を目指している。

見出しにもあるようにまさに自滅ですが、この記事のケースは決して特例ではないのです。

手数料ゼロ、スプレッドゼロで業者はどこで利益を出していくのだろうか?
ここまで顧客サービスを過剰にして業者にメリットはあるのだろうか?
このような状態の中で業者は存続して聞けるのだろうか?
素朴な疑問ですが、お金を預ける側にとっては重要なポイントです。

業者の収益モデルは、手数料収入、スプレッドの鞘(さや)、スワップの鞘、顧客売買を背景にしたカバー収益、自己ディーリングでほぼ100%に達します。
そのうちの手数料、スプレッドの鞘が限りなくゼロに近づけば、残りはわずかなスワップの鞘とカバー収益と自己ディーリングになります。
ただしこれらは実際にはリスクをとって行われますので安定収益となりません。また、これらを行うのであれば顧客の売買を取り次ぐこと自体、意味がないのです。逆に顧客が増えることは、カバー取引のボリュームが上がり、同時にそのリスクが高まりデメリットとも言えるのです。

業者の収益モデルに問題があるといわざるを得ないという状況、つまり運営している自分たちが十分に食えない状態が継続していく中で、業者がまっとうな業務を継続し続けることにも疑問があります。
業者の中には、投資家からの預かり資産を信託財産として分離保管し、当業者が破綻しても顧客からの預かり資産は保全されるスキームをとっている業者もあります。しかし、それとは別の問題で永続的に取引できるかどうかわからない、またいつ破綻するかわからない業者というのは、果たして良い業者といえるのでしょうか?

傾向と対策

まず業者を選択する上でチェックしたい項目は、手数料、レバレッジ、スプレッド、スワップ、入出金の手続き及びそれにかかる時間や日数、これらの取引条件のほかに預かり資産が信託財産として分別されているかなどがあります。

また業者自体を見極めなければいけません。
まず金融庁(関東財務局や近畿財務局)に登録されている業者かどうか、自己資本規制比率が140%を越える水準で推移しているか、決算状況は好ましい状況にあるかをチェックしておかなければなりません。

「業者の実情」にあてはまるような業者が、必ずしも悪い業者というわけではありません。
しかし、「単に手数料が安いから・・・」「スプレッドが狭くて取引環境がよいから」といったことだけで業者を選ぶのは決して賢い選択方法とはいえないのではないでしょうか?

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